2026年6月28日、「渋谷マスボクシングフェスタ」が国立代々木競技場第二体育館で開催されました。
東京大学ボクシング部出身の衆議院議員・西村康稔 先生によるご挨拶を皮切りに、数多くの世界チャンピオンが来場。さらに、全国各地から約300名のマスボクサーが集結し、会場は大きな熱気に包まれました。


今回は、当会の監修を務める比護が、会場の熱気と当日の模様をレポートいたします。
*肖像権等の権利上の問題もございますので、ご来場いただいた多くのチャンピオンのうち、以前より親交があり、掲載許可をいただいている坂本博之さん以外の方々の写真につきましては、使用を控えさせていただきます。

その華やかな舞台のオープニングを飾ったのが、現役実戦王者チームとマスボクシング王者チームによる「5対5」の団体戦です。私も、マスボクシング王者チームの副将として、この特別な一戦に出場させていただきました。
プロボクシング現役世界ランカー・桑原拓 選手が率いるのは、現役の実戦王者を中心に編成された精鋭チーム(赤)。対するは、全国各地の大会を制してきたマスボクシング王者を中心とするチーム(青)です。

世代も競技背景も異なる王者同士の対決は、全試合が白熱した大接戦となりました。団体戦としては、現役実戦王者チーム(赤)に軍配。私は副将として出場し、なんとか勝ち星を挙げることができました。
対戦相手は、K-1や実戦ボクシングで数々の全日本タイトルを獲得している若き現役選手であり、まさに国内屈指の強豪です。私の勝利を予想していた人は、おそらく私自身を除けば、ほとんどいなかったと思います。

決して会心の内容ではありませんでした。勝負の流れの中で、恵まれた部分もあったでしょう。しかし、その流れを手繰り寄せたのは、最後まで勝利を諦めなかった執念だったと信じています。
この貴重な一戦を通じて多くの学びと刺激を与えてくださった対戦相手の選手に、心より感謝申し上げます。下馬評を覆してつかんだ、チームでの一勝。結果として、それはジャイアントキリングとなりました。


舞台は国立代々木競技場第二体育館。リングインの際には、リングサイドにマスボクシングの仲間たちが集結し、次々と手を伸ばして送り出してくださいました。
そして戦いを終え、再び仲間の輪へ戻ったときには、私にとってこれ以上ないほど温かい拍手と励ましをいただきました。


ボクシングは、リングに上がれば対戦相手と一対一で向き合う、孤独な競技です。しかし、決して一人で戦っているわけではありません。仲間の思いを背負ってリングに上がり、自らの拳と技術で応える。その力があったからこそ、私は戦い抜くことができました。

年齢は、必ずしも限界を意味するものではありません。長い年月をかけて積み重ねてきた経験、技術、判断力、そして精神力は、年齢を重ねたからこそ得られる武器でもあります。
渋谷マスボクシングフェスタ ~ 全国に灯をつなぐ一日
会場には、辰吉丈一郎さん、坂本博之さんといった伝説的な選手をはじめ、矢代義光マスボク委員長の呼びかけで、世界王者の藤岡奈穂子さん、木村悠さん、下田昭文さん、尾川堅一さん、さらに現役王者の桑原拓さん、中野幹士さん、藤田健児さん、神風藍さんら、数多くのチャンピオンが集結しました。

イベントの大きな見どころとなったのが、人の煩悩の数になぞらえた「108ラウンド・マスボクシング」です。1ラウンド20秒とはいえ、108ラウンドを積み重ねるその光景は圧巻。歴代王者や現役選手の皆さんも、参加者とともに汗だくになりながら、最後まで真剣に、そして楽しそうに拳を交えてくださいました。


マスボクシングの魅力は、年齢や性別、競技経験の違いを超えて、誰もが同じリングで向き合えることにあります。究極的には、勝敗さえも重要な目的ではありません。相手を尊重し、技術を磨き、真剣勝負の緊張感を楽しみながら、拳を通じて心を通わせる競技です。



この日は、パラリンピック出場経験者を含む全国各地の約300名のマスボクサーが、国立代々木競技場第二体育館に集結しました。普段は異なる地域で活動する仲間たちが一堂に会し、世代や立場を超えて交流を深めることができたことは、何ものにも代えがたい価値があります。

マスボクシングは、まだ発展途上だからこそ、大きな可能性を秘めた競技だと思います。だからこそ、私たち一人ひとりが、その文化と価値をつくる担い手になれるのだと思います。
競技者も、指導者も、そして応援してくださる皆さまも、ともに新しいマスボクシングの形を築いていきましょう。全国各地でともされた一つひとつの灯がつながり、やがて大きな光となって広がっていくことを願っています。


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