10年の継続を力に。板橋から、ボクシングの新しい可能性へ
城北FIファイトクラブは、このたび創設10周年という大きな節目を迎えました。
リングを持たないボクシングスクールとして活動を開始し、板橋区の体育施設を拠点に10年間。子どもから大人まで、「ボクシングをやってみたい」「身体を動かしたい」という地域の皆さまに広く門戸を開き、競技経験のない方々にもボクシングに触れていただける環境をつくってきました。

10年間変わらなかった、城北FI最大の財産
城北FIファイトクラブの10年間を振り返ったとき、最も誇るべきことの一つは、創設時から役員・スタッフが良好な関係を保ちながら活動を継続してきたことです。
スポーツ団体を長期間運営することは、決して容易ではありません。
競技に対する考え方、運営方針、仕事や家庭環境など、それぞれ異なる背景を持ちながらも、「ボクシングを通じて地域に貢献したい」という思いを共有し、10年間活動を継続してきました。
大会での勝敗だけでは測ることのできない、この人間関係と組織としての継続力こそ、城北FIファイトクラブが築いてきた大きな財産です。

「リングがなくても、ボクシングはできる」
城北FIファイトクラブの特徴は、一般的なボクシングジムとは異なり、固定のリングを持たず、地域の体育施設を活用して活動してきたことです。
親子で参加する方、健康づくりを目的とする方、初めてグローブを着ける方など、本格的な競技者になることを前提としない、いわゆるボクシングの「ライト層」を積極的に受け入れてきました。
敷居が高いと思われがちなボクシングを、より身近なスポーツへ。
この10年間、城北FIファイトクラブは板橋区を中心として、ボクシング人口の裾野を広げる役割の一端を担ってきたと考えています。


普及だけではない。競技でも積み重ねてきた実績
一方で、城北FIファイトクラブは「楽しむだけ」のクラブではありません。
日本におけるマスボクシングの先駆的な競技形態の一つであるヒットマスボクシングにも積極的に取り組み、所属選手・スタッフが大会で何度も優勝するなど、競技面でも実績を積み重ねてきました。
初心者がボクシングを楽しむ場所であること。そして、勝利を目指して技術を磨く人にも挑戦の場を提供すること。
この二つを両立させてきたことも、城北FIファイトクラブの特色です。
10周年だからこそ、自分たちの現在地を見つめ直す
しかし、10周年は過去を祝うだけの節目ではありません。
役員会では、城北FIファイトクラブが次の10年も発展していくために、現在抱えている課題についても率直な議論を行いました。
ヒットマスボクシングは、日本におけるマスボクシング文化の先駆けの一つとして大きな役割を果たしてきました。
その一方、現在では日本ボクシング連盟主催の全日本マスボクシング選手権大会をはじめ、全国規模でマスボクシング競技が急速に発展しています。

こうした大きな流れとの接点を持たず、従来の活動だけを続けていけば、先駆者であったはずの活動が、逆に独自の世界へ閉じてしまう「ガラパゴス化」を招きかねない。
私たちは、その危機感も持っています。
また、親子や初心者を中心とする現在の活動には大きな社会的意義がある一方で、全国レベルを目指したい子どもたちや、40代、50代、さらにその先の年代になっても本格的に競技へ挑戦したい選手に対する訴求力や指導体制については、まだ発展の余地があります。
選手・指導者として全国レベルの経験を持つスタッフが一部に限られていることも、今後の競技力向上に向けた課題の一つです。
先日開催された渋谷でのマスボクシング大会に出場し、見事優勝を果たした花家トレーナーも、他クラブの選手や指導者、現在のマスボクシング界の動きを目の当たりにし、城北FIファイトクラブの現在の立ち位置に強い危機感を感じた一人です。
「10年間続いたから、これからも同じやり方でよい」そう考えるのではなく、「10年間続いたからこそ、次のステージへ進むことができる」役員会では、そのような認識を共有しました。
監査役を務める比護トレーナーは、日本ボクシング連盟主催の全日本マスボクシング選手権大会で2連覇を達成するなど、全国の舞台でも実績を積み重ねてきました。

現在は仕事の関係から福岡県に単身赴任しており、城北FIファイトクラブでの日常的な活動は限定されていますが、全国大会で培った経験や、全国のマスボクシング競技の動向をクラブへ還元していくことも重要な役割としています。


城北FIには、次のステージへ進むための「基盤」がある
そして、城北FIファイトクラブには、もう一つ大きな可能性があります。
現在は板橋区内の体育施設を毎週確保しながら活動を継続していますが、クラブ役員には、都心の一等地に自社ビルや不動産を所有し、長年にわたり事業基盤を築いている役員らも在籍するなど、活動の背景には確かな人的・経済的基盤があります。
つまり城北FIファイトクラブは、単に「場所がないから、資金がないから、とりあえず公共体育館で活動しているクラブ」というわけではありません。
この10年間は、固定費を大きく抱えることなく地域施設を有効活用し、ボクシングをより気軽に楽しめる環境づくりを優先してきました。
一方、今後クラブとして明確な目的と社会的意義を見いだすことができれば、専用ジムや固定拠点の開設を含め、これまでとは異なる規模の展開を検討できる人的・経済的基盤も持っています。
もちろん、「資金があるからジムをつくる」という考えではありません。
大切なのは、何を実現するための拠点なのか。
親子や初心者が安心してボクシングを楽しめる場所なのか。
全国を目指すジュニア選手を育成できる場所なのか。
40代、50代、60代になっても競技に挑戦できる場所なのか。
あるいは、それらすべてを融合した、これまでにない新しいタイプのボクシングクラブなのか。
11年目からは、その可能性についても本格的に議論していきます。
「城北FI 2.0」 次の10年へ
私たちが目指したいのは、単に大きなジムをつくることでも、会員数だけを増やすことでもありません。
10年間大切にしてきた、「誰でもボクシングを楽しむことができる」という原点を守りながら、その先にある新しい挑戦の道をつくることです。

親子でボクシングを楽しみたい人。
運動不足を解消したい人。
競技としてマスボクシングを極めたい人。
全国大会を目指す子どもたち。
40代、50代になっても真剣勝負に挑戦したい人。
そして、生涯スポーツとしてボクシングと関わり続けたい人。
それぞれが、それぞれの目的で集まることができる場所へ。
城北FIファイトクラブには、10年間で築いた「人」がいます。
積み重ねてきた「実績」があります。
活動を支える「組織」があります。
そして、次のステージへの挑戦を可能にする「基盤」もあります。
あとは、それらを何のために使うのか。
11年目は、その答えを形にしていくスタートの年です。
板橋から、ボクシングの輪をもっと広く。
そして、これまでになかったボクシングクラブの形へ。
城北FIファイトクラブは、10周年を新たなスタートラインとして、次の10年への挑戦を始めます。
企画・取材:日本マスボクシング研究会
編集協力:Team Ringside Tokyo


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